衣装ケースの老舗 フィッツ【アイテム紹介】
こんにちは、やんともです。
皆さんは洋服などの収納に衣装ケースは使いますか?
私は昔から衣装ケースを多用しており、事あるごとにちょっとずつ買い足していましたが、昨年今の家に引っ越してから一気に対象に買い足しました。
これで当面は衣装ケースは買わないつもりです。
今回買ったのはFits(フィッツ)という老舗衣装ケースブランドの商品です。
Fitsについて紹介いたします。
1.20年間使っている衣装ケース
2.Fitsの衣装ケース選び
3.最後に
1.20年間使っている衣装ケース
昔から衣装ケースは多用しており、今の家に引っ越す前は私の分だけで4つの衣装ケースを持っていました。
しかし、都度ホームセンターで売られている衣装ケースを適当に買い足していたので、メーカーもサイズもバラバラです。
当然きれいには重ならないので、滑り止めシートを挟んで動かないようにしていました。
引っ越す際も全て持って行ったのですが、寝室のクローゼットに入れようとすると上手く収まりません。
後述しますが、衣装ケースは押入れ用とクローゼット用で奥行きが2種類あります。
ちゃんとクローゼットに収まるようにしたいし、きれいに重なるようにメーカーを統一したいし、持っていた衣装ケースでは容量的に飽和しかかっていたので、新規でごっそり買い直すことにしました。
元々あった衣装ケースは別の部屋で使います。
新しく買い直すことを嫁と話していた時、
嫁 「衣装ケースはやっぱフィッツがいいらしいよ」
私 「ふーん」
物のブランドとかに疎い私は、その時は嫁の話を流していました。
が、しばらくして、
・・・ フィッツ? ふぃっつ? Fits?
その名前に引っ掛かりました。
そういえば、元々持っていた衣装ケースに「Fits」というロゴが入っていた気がします。
なるほど、これのことか。
思い出してみると、この衣装ケース結構昔から使っています。
千葉に引っ越してくる前の大分の社宅でも使っていたし、その前の独身寮の時も使っていました。
いや、その前の大学時代の千葉のアパートにも置いていました。
それどころか、高校を卒業して長崎の実家を出てくる時もこの衣装ケースに荷物を詰めて来た気がします。
高校生の頃から使っていたとすると、20年近く使っていたことになります。
何度も引っ越しを経験しているのでガムテープで留めた跡が残っていたり、見た目は結構汚いです。
でも現役で使えていますし、なんなら他の若い衣装ケースと比べても1番使い易い。
丈夫で変形などもほとんどしていません。
前面に強固なフレームが付いているようです。
引き出しも程よくスムーズです。
上面下面に凹凸があり、重ねた際にずれにくいのも使い易さのポイントです。
Fitsは「天馬」という家庭用品メーカーの収納用品ブランドです。
衣装ケースに関しては1986年から製造を続けている老舗ブランドです。
これは信頼できるということで、Fitsで一式揃えることにしました。
これだけ長く続くブランドだから、この先の存続も期待でき、買い足したくなっても同じサイズで揃えられそうです。
と言っても、今回大量買いして当面は買い足さなくていいようにしようと思いますが。
2.Fitsの衣装ケース選び
Fitsの衣装ケースはサイズも豊富ですが、まず決めるのは奥行きです。
奥行きは2サイズあり、
押入れ用 :奥行き74cm
クローゼット用:奥行き53cm
となっています。
押入れとクローゼットで奥行きが二分されるとは知りませんでした。
幅は
押入れ用 :幅39cm/44cm
クローゼット用:幅30cm/39cm/44cm
高さは
押入れ用 :高さ18cm~35cm
クローゼット用:高さ18cm~35cm
もちろん、奥行きと幅が合えば重ねることができます。
色はカプチーノとホワイトがあります。
主力は衣装ケースですが、小物用ケースやルームチェストなどの収納商品もあります。
私は今回ECサイトから、奥行き53cm×幅39cmのものを11箱買いました。
高さは23cmを10箱と18cmを1箱です。
衣装ケースを置きたい場所の高さを測って、ちょうど収まるように高さを組み合わせました。
衣装ケースの爆買いです。
配送は知らぬうちに”置き配”設定になっていたらしく、気づくと玄関前に大量の段ボール箱が積み上げられていました。
重ねてクローゼットの中においてみましたが、きれいに収まっていい感じです。
未使用が2箱あり、当面は洋服の収納は大丈夫かなと思います。
過去に衣装ケースを買い足した時も、メーカーを調べてECサイトで購入しておけばよかったです。
3.最後に
今回は衣装ケースのアイテム紹介をさせて頂きました。
丈夫で使い易く、Fitsは本当におススメです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
筆者(やんとも)とこのブログについての紹介です( ^ω^)b
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戸建てマイホームにおいて中古をお勧めする理由 中古のメリット・デメリット【住宅論】
こんにちは、やんともです。
私は昨年戸建てマイホームを購入しましたが、新築注文住宅でも新築建売り住宅でもなく、中古住宅を購入しました。
現在はとても快適なマイホーム生活を送っています。
そして、これからマイホームを検討される方にも中古戸建てをお勧めしています。
私がなぜ中古戸建てをお勧めするのか、その理由をお話しいたします。
また、中古にはどんなメリットがあり逆にどんなデメリットがあるのか、また中古戸建てに関する懸念点についても解説いたします。
本日の内容は中古マンションにも一部当てはまるかと思いますが、中古マンションの事情については詳しく把握できていない部分もあるため、中古戸建てを中心に書かせて頂きます。
1.中古のメリット・お勧めする理由
■新築価格が乗っていない(コストパフォーマンスその1)
■建物の価値が償却されている(コストパフォーマンスその2)
■消費税がかからないことが多い(コストパフォーマンスその3)
■現物を見て購入できる
■周辺環境を調べやすい
■売主が家財を残してくれる場合がある
2.中古のデメリット・懸念点
■住宅性能が低い(特に断熱性)
■自分が好きな間取り、デザイン、設備にできない
■建物が劣化している?
■保証がない
■耐震性が不安?
■住宅ローン控除を受けられない・控除額が少ない
3.中古戸建てのコンセプトは大きく2つある
4.新築は買うべきではないのか?
5.最後に
1.中古のメリット・お勧めする理由
中古をお勧めする理由、中古のメリットをいくつか挙げたいと思います。
主にはコストパフォーマンスの良さがメリットですが、コスパが良いのにもいくつか理由があります。
新築価格が乗っていない(コストパフォーマンスその1)
コスパがよい理由の1つ目が新築価格が乗っていないと言うことです。
新築価格とは、家本来の価値に加えて新築にのみ乗せられた価格のことです。
例えば築0年で2000万円の価値がある建物があったとして、これを新築で買うと2100万~2300万円ほどかかると言われます。
この1割程度の上乗せは、ハウスメーカーが家を売るためにモデルルームや営業マンに掛ける費用、いわゆる営業費です。
そして、中古で売買される際はこの営業費分の価格がほとんど引き継がれないため、中古は新築に比べ割安になります。
建物の価値が償却されている(コストパフォーマンスその2)
簿記会計上、木造戸建ての建物は22年かけて価値がゼロになります。
一方、土地の価値は償却されないため、22年過ぎても元の価値のままです。
そのため、(上記の新築価格はゼロとして)新築時建物2000万円+土地2000万円=合計4000万円の家があれば、22年過ぎればその価値は2000万円(土地代のみ)となります。
(ただし、これとは別に地価の変動はありますので、実際に2000万円が維持されるかは分かりません。)
中古戸建ての販売価格も上記の価値に準じて付けれますので、同じ家でも新築より安く購入することができます。
でも20年も過ぎれば建物の状態は新築と同じじゃないだろう、と思われると思います。
確かに、年数が経てば建物は劣化します。
しかし20年経ったからと言って利用価値がゼロにはなりません。
普通に人が住むことはできますし、リフォームすることで新築に近い状態まで回復させることができます。
築20年の木造戸建てのリフォーム費用は、300万~400万円が目安とされていますので、建物の値下がり代より十分安い訳です。
ここについては2章のデメリットでも解説いたします。
消費税がかからないことが多い(コストパフォーマンスその3)
コスパがよい理由の3つ目は、中古は消費税がかからないケースが多いということです。
ただし、必ずしも消費税がかからないという訳ではなく、かかるケースもあります。
では、消費税がかかるか、かからないかの違いは何か。
売主が業者か個人かの違いです。
家に限らず消費税が発生するのは業者から物を買う時だけです。
メルカリなどで個人から物を買う時は、消費税を払う必要もありません。
なので、中古住宅の購入においても売主が個人(基本的に元の住人)の場合は消費税が発生しません。
新築の場合は売主が個人と言う事はまずありませんので消費税が発生します。
今は消費税率10%ですので、この差は大きいと思います。
現物を見て購入できる
中古物件の場合、必ず完成した現物を見てから購入することができることも大きなメリットです。
新築注文住宅の場合は現物を見る前に契約しなければなりません。
施主さんのブログ・動画を見たり、友人の話を聞くと、「もっとこうしておけばよかった。」「イメージと違った。」という話をよく聞きます。
すべてが大きな問題ではないと思いますが、注文住宅の場合はその可能性があります。
新築建売りは完成後に契約できればいいですが、人気エリアであれば完成前に売れてしまうケースもありますので、その場合はやはり完成前に契約する必要があります。
その点、中古住宅は現物を見て購入できますので、契約後にイメージと違ったという後悔はありません。
ただし、中古住宅には全く後悔が発生しないかと言えばそうでもなく、住んでみてギャップに気づく可能性もありますし、間取りやデザインに対する後悔はなくとも、そもそも家が傾いていたり雨漏りしていたりということで後悔することはあると思います。
周辺環境を調べやすい
中古物件の場合、周辺環境を調べ易いというのもメリットです。
周辺環境(特にご近所さんとの関係)は家本体と同じぐらい大事だと言われます。
中古物件の場合、既に家が出来上がって人も住んでいるので周囲を含めた生活圏が出来上がっています。
なので見学に行けばその生活圏を肌で感じることもできますし、売主さんに話を聞くこともできます。
新築の場合は、まだ人が住んでいないので周辺環境を調べることが難しいですし、大きな分譲地であれば隣に誰が住むかも決まっていないことがあります。
売主が家財を残してくれる場合がある
中古住宅は元の住人が住んでいた家を受け継ぐことになりますので、元の住人(売主)が家財を残していってくれる場合があります。
テレビのアンテナが設置済であったり、インターネット回線が工事済であることもあります。
ただし、あくまでその可能性があるというだけで、必ずしも残していってくれる訳ではありません。
また、残された物は使える物もあれば使えない物もありますし、使えるけれど気持ちの問題で使いたくないという物もあると思います。
その場合は処分する費用と手間がかかることもあります。
私の家の場合はエアコン2台を残してもらったことはありがたかったですが、鉢植えに入った大量の草花は処分が大変でした。
カーテンも一部残っていたので、コインランドリーで洗濯して使える物は使いました。
テレビアンテナの設置やインターネット回線はありませんでした。
ここは、メリットになることもあればデメリットになることもあります。
家を傷つけてもあまり気にならない
これは感情論であり人にもよると思いますが、中古は元々傷があるので壁やフローリングを多少傷つけても気になりません。
新築を建てた・買った方のブログを見ていると、やはり壁やフローリングを傷つけるとショックを受けておられるように見えます。
もちろん人によっては中古であっても傷がつけばショックと言う人もいますし、他のメリットと比べればおまけのようなものかと思います。
2.中古のデメリット・懸念点
前章で中古メリットを述べ、中古をお勧めしましたが、中古にはデメリットもあります。
また、中古を検討する上で不安に思う懸念点もあります。
ここではそのデメリット・懸念点について紹介し、解決策がある場合はその解決策もお話しします。
住宅性能が低い(特に断熱性)
個人的に中古の最大の弱点は住宅性能、特に断熱性だと思います。
私が購入した家は築18年でそこまで古い雰囲気はありませんが、冬はけっこう寒いです。
一方、最近の家はどのメーカーも高断熱・高気密を売りにしています。
エアコンの電気代も安いといいます。
快適性と光熱費の両面で高断熱は羨ましいです。
ただし、中古と言っても築年数の浅い物件であれば高断熱を享受できることはあるかと思います。
自分が好きな間取り、デザイン、設備にできない
一般的に注文住宅と比較した場合の最大の弱点になるのが、間取りやデザインや設備を自分の好きな仕様にできないことです。
逆に注文住宅を建てる理由は、間取りやデザインにこだわりがあることが一番ではないかと思います。
メリットの中で「現物を見て購入できるので、出来上がってイメージと違うという後悔がない」と言いました。
例えば玄関に対してこだわりを持っていた人が、注文住宅で造ってみたら理想通りにできなかったという後悔はあると思います。
一方で、中古住宅の場合は現物とのギャップはなくても、そもそも理想の玄関がある物件が見つからない可能性もあります。
私は間取りやデザインにあまりこだわりがなく、元の住人が生活できていた家であれば自分が住むのも問題ないと考えるタイプです。
なので、ここはあまりデメリットに感じないのですが、こだわりがある人にとってもどうすることもできません。
解決策として、中古物件もリフォーム(リノベーション)をして大幅に間取りやデザインを変えることはできます。
設備は希望の機種にリプレイスすればよいです。
また、実はリノベーションにはかなりの自由度があり、部屋のイメージも大きく変えることができると言います。
しかし、やはりリフォームには限界もあり、どうしても柱や壁を除去できず望んだ間取りができないこともあります。
そもそも元の家を超える広さは手に入れることはできません。
また、本格的なリノベーションであれば工事費用も高額になるため、ベースとなる家探しも間違わないようにしなければなりません。
建物が劣化している?
これはデメリットというより、中古に対する一般的なイメージ・懸念点です。
確かに家に限らずほとんどの物は時間が経つと劣化します。
家であれば建物の健全性に関わり、更にそれが住人の安全性、快適性に繋がります。
それなのに古くなった家を購入して大丈夫なのでしょうか?
まず、古くなっても健全に建っていられるかという問題ですが、木造戸建ては基本的に100年は持つそうです。
傾いていたり、シロアリに食われていたり、雨漏りしていたりする場合も、補修して十分住み続けられるそうです。
次に、構造的な健全性は問題ないとしても、設備が正常に使えるかや見た目的に不快感がないかですが、これについてはリフォームで改善することができます。
設備は新品に変えることができますし、内装なども今風にして快適で新築に近い気分で住むこともできます。
結局費用が掛かるじゃないか、と思いますが、1章で説明したコストメリットに対してリフォームの費用の方が少額であるケースが多いです。
参考までに、築年数ごとのリフォーム費用の目安は、
築10年:100万~200万円
築20年:300万~400万円
築30年:500万円~
と言われています。
汚れ程度であれば、10万円前後のハウスクリーニングでかなり綺麗になります。
ただし、購入した後に大きな瑕疵が見つかり多額の補修費用が発生することもあり、そのようなハズレ物件に当たる可能性があるというのも中古のデメリットであります。
新築でも絶対に瑕疵がないとは言えませんが、新築には保証が付いているため、そこで大きな差が出ます。
保証がない
上の建物の“劣化”の続きの話ですが、中古住宅は家に瑕疵がある可能性がある上に、保証が付いていないと言う点がリスクです。
(引き渡しから3ヶ月間の瑕疵担保期間はあります。)
新築住宅でも欠陥がないとは言えませんが、必ず10年間の保証が付いていますので、それで補修することはできます。
瑕疵が見つかっても補修はできるのですが、瑕疵の内容によっては補修費用が数百万円になることがあるため、やはり瑕疵物件を買わないに越したことはないです。
対策として、築年数の古い物件、もしくは瑕疵が疑われる物件についてはホームインスペクション(住宅診断)を受けることをお勧めします。
見えない瑕疵は素人では見つけにくいため、プロにお任せした方がよいです。
耐震性が不安?
古い家となると耐震性に不安があります。
家の耐震性能を知る上で、建てられた年により2つの基準があります。
①新耐震基準:1981年6月以降
②新々耐震基準:2000年6月以降
①新耐震基準は、「震度5で損壊しない、震度7で倒壊しないだけの強度」を担保する基準です。
新耐震基準をちょうど満たす強度の建物を耐震等級1、その1.25倍の強度を有すれば等級2、1.5倍では等級3となっています。
②新々耐震基準は①新耐震基準における強度不足を補うために、①新耐震基準の強化版として木造戸建てにのみ設定された基準です。
中古住宅の購入においては、②新々耐震基準の対象となる物件であればあまり耐震性を気にする必要はないと思います。
一方で①新耐震基準以前の物件はなるべく買わない方がよいと言われます。
①~②の間の物件は、ホームインスペクション(住宅診断)を実施した上で、必要に応じて耐震補強を行うのがベターです。
住宅ローン控除を受けられない・控除額が少ない
住宅ローンで家を買うと、所得税や住民税の一部が返ってくる「住宅ローン控除」を受けることができます。
マイホームを持つ上でこの制度は非常にありがたいですが、中古住宅の場合は新築に比べて不利な点があります。
まず、制度を受けることができる条件ですが、築20年以内の住宅に限られます。
(マンションなどの耐火建築は築25年以内)
よって築20年を超える中古を購入するとこの制度が受けられず、控除額の累計分を損することになります。
築20年を超える物件でも耐震化を行いその証明を取得すれば対象とすることはできますが、その費用が高額となる可能性もあるため、慎重な見極めが必要です。
また、控除額についても中古住宅は新築より少なくなります。(以下、2022年度版住宅ローン控除の条件)
まず基本的な控除額ですが、「年末の住宅ローン残高×0.7%」が毎年返ってきます。
これは新築も中古も同じです。
しかし、控除期間が新築は13年間に対し、中古は10年間と短くなります。
また、控除対象となる住宅ローンの残高には上限があり、新築の場合は3000万~5000万円です。
上限額は省エネ性能によって変わりますが、ほとんどの新築住宅が4000万円以上の対象になると思います。
一方、中古住宅の住宅ローン残高上限額は2000万~3000万円です。
中古住宅も省エネ住宅は3000万円となり、その他の家は2000万円となります。
ただし、住宅ローン控除では不利でも、中古の場合は消費税がかからないことが多く、その場合はトータルで中古の方が得になります。
実際に2021年度までは新築or中古ではなく、消費税の有りor無し(もしくは適用された消費税率)で控除期間や上限額が設定されていました。
2022年度からは制度改定で新築or中古で区別されるようになりました。
3.中古戸建てのコンセプトは大きく2つある?
マイホームにおいて中古戸建てを選ぶ目的、コンセプトとして、私は大きく2つあると考えています。
①完成品としての中古戸建て
1つめは、元の家を完成品としてほぼそのまま使い、安価に程度のよい家を手に入れるという中古の買い方です。
リフォームは必要最低限だけ行います。
新築で言うところの建売りに近い買い方を、中古で安価にするという考え方です。
私の家の購入もこちらです。
この場合、築15~20年ぐらいの状態の良い中古戸建てを買うとよいのではないかと思います。
価格も下がっていますし、リフォームの手間も少なく、住宅ローン控除も受けられます。
②大規模リノベーションで自分好みの家を造る
2つ目は、元の家に大幅な改造を加えて、間取りやデザインを変えてしまうというやり方です。
新築で言うところの注文住宅に近いことを、安価に行うということです。
この場合、築30年近い中古戸建てを廉価で手に入れ、リフォーム・リノベーションにお金をかけた方が上手くいくケースが多いのではないかと思います。
上記①②はどちらも新築より安価に家を手に入れるという基本的な考え方は同じですが、リフォーム・リノベーションの規模によって物件の選び方も変わってきますので、中古に求めるコンセプトはしっかり定めておいた方がよいかと思います。
4.新築は買うべきではないのか?
私はこの記事において「中古はコスパが良いからおススメ」と述べていますが、逆を言えば「新築はコスパが悪い」ということになります。
では新築を買う・建てることはいけないことでしょうか?
まず、自分の資力を超えた家を買う・建てることは辞めた方がよいと思います。
これは新築戸建てに限らず、中古であってもマンションであっても共通したことです。
賃貸で家賃を払う場合も同じです。
また、相場より異常に高いぼったくりの家も避けたいところです。
これも新築に限った話ではありません。
しかし、自分の資力の範囲内で長期間住む家を相場並みの価格で買うのであれば、コスパや資産的損得は基本的に関係ないと思います。
どうしても「この立地にこの広さでこの間取りでこのデザインで劣化のない家が欲しい」という考えであれば、その条件で建てた・買った新築の価格が適正価格だと思います。
長期間住んでローンを払い終えてしまえば、残った資産価値がいくらかは問題ではないはずです。
ただ、留意して頂きたいのは「持ち家には予期せぬ住み替えリスクが付いている」ということです。
この可能性は誰しもゼロとは言えず、死ぬまで住むと決めていても何らかの理由で住み替えを余儀なくされることはあります。
その際に重要なのが住宅ローンの残高に対する家のその時の価値です。
できればローン残高を上回る価値が残っていて欲しいですが、そうでなくてもなるべくローン残高に近い価値が残っていないと、その分資産的に損をすることになります。
そして、資産価値がローン残高をより下回り易いのが新築ということになります。
新築を検討する場合は、予期せぬ住み替えリスクに対しては不利であることを認識頂きたいと思います。
5.最後に
今回は戸建てマイホームにおいて私が中古をお勧めする理由を挙げさせて頂きました。
改めてポイントをおさらいすると、
- 最大のメリットはコストパフォーマンスがよいこと
- なんとなく「古いから嫌だ」というのは実は克服できるかもしれない
- 間取りやデザインにこだわりがある人は新築注文住宅がお勧めかもしれない
もし価値観が一致する人は、中古戸建ても検討してみてください。
中古戸建ての買い方や中古戸建てを買う上でのポイントは下記記事にまとめています。
私は間取りやデザインには強いこだわりがないので中古で問題ないのですが、断熱性の高い温かい家にはやはり憧れます。
それと、スマート○○のような住宅用IoTもいいなぁと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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我が家の納戸(3帖)をフル活用する【アイテム紹介】
こんにちは、やんともです。
我が家には3帖の納戸があります。
家を購入した際は収納の要として期待していましたが、入居後数ヶ月でいっぱいになってしまいました。
こんなに早くいっぱいになってもらっては困ると思い、スチールラックを使って収納量アップを行いましたので、納戸の紹介も兼ねて書かせて頂きます。
1.納戸の紹介
2.スチールラックを使って収納量を増やす
3.最後に
1.納戸の紹介
私は家探しにおいて7件の物件を見学しましたが、最後に我が家を見学した時だけ胸の高鳴り方が違いました。
このどこが気に入ったか。
色々ありますが、間取りや家の造りに関して言えば、
- 浴室・・・広めで浴室乾燥機付き
- シューズクローク・・・大容量
- キッチンの勝手口・・・敷地外には出られないが謎のテラスがある
- 小庭・・・極狭だけど無いよりは全然いい
- 2階のトイレ・・・なぜかちょっと広い
- バルコニー・・・細長い形でなく正方形に近い
- 納戸・・・3帖の小部屋
でしょうか。
この中でダメ押しに良かったのが、2階にある3.0帖の納戸です。
ここまで広い収納は見学した他のどの家にもありませんでした。
我が家の2階には納戸の他に主寝室7.4帖、子供部屋5.4帖×2、トイレ、バルコニーがありますが、この並びで納戸を見ると普通の部屋と言われてもそこまで違和感がないです。
確かにちょっと狭いし、窓も小さいですが、ここで我慢しろと言われれば生活できなくもないです。
窓の外には室外機を置く場所もあるので、エアコンも設置可能です。
2つある子供部屋のうち1つは現在私のテレワーク部屋となっていますが、子供2人(4歳・0歳)が大きくなるといつかは部屋を取られてしまいます。
その時のテレワーク部屋移設先の候補の1つが納戸です。
テレワーク部屋移設先の候補
- 1階の和室・・・リビングの音がうるさい
- 寝室・・・夫婦2人だけになれば机を置けるだろう
- 納戸・・・広さ的には申し分ない
- 小庭・・・テントを張って、、、さすがに無理か
テレワーク部屋の移設はまだまだ先の話として、3.0帖の納戸で当面は収納に困りません。
家を購入する前に住んでいたマンションではわずかな収納に無理やり押し込んでいましたので、これだけ収納が増えると余裕です。
と見学の時は思っていました。
しかし、いざ入居して1~2ヶ月もすれば、納戸は物で埋まってしまいました。
なぜなのか。
今後物が減っていくとも考えづらいし、テレワーク部屋どころではありません。
でもこのままにしていても本当に必要な物が収納できません。
今年からキャンプを始めようと思って、道具も揃え始めています。
これだけの納戸があるのだから、この程度で限界にしてはいけない、と言う事で納戸をもっとフル活用できるように整理することにしました。
2.スチールラックを使って収納量を増やす
限界に達しつつあった納戸を眺めて、床は物で敷き詰められているものの、部屋の上の方の空間はあまり使われていないことに気づきました。
これだけの納戸なのだから、空間全体で物を置けるようにしたいと思いました。
私としては、ロフトのような棚を設けたかったのですが、金額が高いし見た目も悪いということで嫁から猛反発があり、よくあるスチールラックにしなさいと言われました。
私はせめて部屋の上の方まで使えるように背の高いスチールラックにしようと言い、2人で納得しました。
納戸の天井の高さは240cmです。
背の高いスチールラックでは210cm前後の物が多くありますので、そのぐらいの高さで探すことにしました。
段ボール箱が置けるように奥行きは45cmにします。
収納量を増やすために幅はなるべく広い方がよいのですが、重い物を置いた時のたわみが怖いので、90cm幅を2つ並べることにしました。
楽天で探していたところ、安価で耐荷重480kgのものがあったため、これにしました。
これだけの大きさとなると、荷重による床のヘコミが怖かったので、後で専用の足を付け足しました。
このタイプのスチールラックは過去に高さ1m程度のものを購入したことがありますが、さすがに高さ210m・耐荷重480kgとなると支柱パイプも太く頑丈です。
パイプの直径は25mmです。
大きいので立てるのは大変ですが、組み立てはそこまで難しくありません。
2セット組み立ててみるとこんな感じです。
棚板の高さは物を置きながら調整します。
反対側の壁沿いにも同じものを置きたいのですが、現在は以前使っていたダイニングテーブルが置かれていますので、このテーブルを処分したらラックも増設すると思います。
とりあえず物を置いてみます。
天井ギリギリまで空間を活用できていい感じです。
奥側は最近揃えたキャンプ道具です。
地震の際に倒れないように下段に重い物を置きますが、耐荷重の範囲内であってもやはりたわみますね。
これでしばらくの収納は確保できました。
3.最後に
最近はミニマリストという言葉もあり、あまり物を持たないようにしようという考えもあります。
広い家に住めばそれに合わせて物を買ってしまうので、狭い家に住んだ方がいいんだという意見もあります。
私は「そうかな?」と思います。
私個人としては、収納が無くても必要な物は買います。
本当に必要な物はやはり手元にあった方がいいし、無いとストレスに感じます。
自分の資力の範囲内で物を買い、大事に使えばそれでいいのではないかと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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持ち家は負債?持ち家否定論の間違いを訂正してみた【住宅論】
こんにちは、やんともです。
中古戸建てを購入しマイホーム生活を始めました。
『住居』を考える上で永遠のテーマとなっているのが「持ち家か賃貸か」の議論です。
最近は資産管理に対する意識の向上から、持ち家を否定し賃貸を勧める意見が多いように感じます。
しかし、持ち家否定派の意見の中には間違った考えも多く見受けられますので、本日はそのような間違った持ち家否定論を訂正してみたいと思います。
ただ、私は決して持ち家のみを肯定し賃貸を否定している訳ではありません。
持ち家にすべきか賃貸にすべきかは人によって違いますし、実際に賃貸が向いている人は多くいると思います。
ここではあくまで「間違った持ち家否定論」に対してツッコミを入れるだけです。
1.持ち家を買ってはならない理由とは
1)家は負債?
2)家は貸している時だけ資産
3)持ち家はマイナスのキャッシュフロー
4)資産価値が落ちるから買わない
5)修繕費や固定資産税で持ち家は高くつく
6)賃貸で我慢する
7)新築はすぐに価値が落ちるから
8)結局持ち家を買ってはいけない理由はなにか
2.住み替えリスクがあるから買うべきではない?
1)住み替えリスクはあっても必ずしも賃貸が有利ではない
2)賃貸だから失敗しないとは言えない
3)賃貸派優勢の違和感
3.最後に
1.持ち家を買ってはならない理由とは
1)家は負債?
持ち家否定論で最もよく聞く言葉が「家は資産ではなく負債」という言葉です。
某有名書籍、某有名芸能人、某有名インフルエンサーなどが揃って同じ言葉を使っています。
しかし家は負債という言い方は正しいのでしょうか。
そもそも簿記的に言えば、家は資産で負債に該当するのは住宅ローンです。
家(土地・建物)⇒資産
住宅ローン⇒負債
価値が1億円であろうと、100万円であろうと、資産は資産です。
持ち家否定論者が言う「家は負債」は、家の資産価値が住宅ローンの負債額を下回っている状態を比喩的に「家は負債」と言っているだけです。
この言葉を初めから使っている本当にお金に詳しい人はこれが比喩的表現であると理解していると思いますが、最近の流行りに乗ったお金系YouTuberには理解していない人もいるのではないかと思います。
また、資産価値が負債額を下回るかどうかは家によります。
負債額以上に価値のある家だっていくらでもあると思いますし、そもそも現金で購入された家は負債ゼロです。
確かに日本中を見れば、負債額が資産価値を上回るケースが大半でしょうが、家が必ず負債過多かのような表現は間違っていると思います。
2)家は貸している時だけ資産
「家は負債」とくっついてよく言われるセリフが「家は貸している時だけ資産」です。
「何言ってんの?」と思います。
自分が住む家について持ち家か賃貸かの話をしているのに、家を収益のために使う話をするのは論点がズレてますよね。
買った家を人に貸して、さて自分が住む家はどうするの?
持ち家がいいの?賃貸がいいの?
話しがスタートに戻っていますね。
また「家は貸している時だけ資産」と言うと、賃貸に出している時以外で資産価値が負債額を上回ることがあり得ないように聞こえますが、前章でも話した通り資産価値が負債額を上回るケースもあり得ます。
また、賃貸に出していれば必ず資産(プラスのキャッシュフロー)になるかと言うと、そうとも限りません。
ローンの返済額以上の家賃で借り手がついていなければプラスのキャッシュフローにはなりません。
よってここも間違いです。
3)持ち家はマイナスのキャッシュフロー
上2つに続けて言われるのが「持ち家はマイナスのキャッシュフロー」ということです。
これも完全なミスリードです。
確かに住宅ローンの返済はマイナスのキャッシュフローです。
では賃貸の住人が支払う家賃はプラスのキャッシュフローなのでしょうか?
いいえ、当然マイナスのキャッシュフローです。
1)で家は資産・住宅ローンは負債と言いましたが、家賃は何か?
「費用」です。
家(土地・建物)⇒資産
住宅ローン⇒負債
家賃⇒費用
持ち家については、少ないながら資産>負債となるプラスのケースもあり得ます。
しかし家賃はどうがんばっても100%マイナスのキャッシュフローにしかなりません。
なぜ、さも賃貸がマイナスのキャッシュフローではないような話し方をするのか、最大の疑問です。
4)資産価値が落ちるから買わない
「資産価値が落ちるから買わない」と言いますが、逆になぜ資産価値がキープされなければ買ってはいけないと決めつけるのでしょうか?
住居費はそもそも住居の本質的価値に対して支払うものです。
住居の本質的価値とは、雨・風・寒暖を防ぎプライベートな安息の場を与えることであり、更にそこに駅や市街地から近いという立地の良さや、広さ・設備の便利さなどにより付加価値が加わります。
それは家賃であっても持ち家(住宅ローン)であっても同じことです。
「この場所にこの広さで住むために1ヶ月10万円の対価が必要」というなら、それは10万円支払わなければいけないことであり、長年住んだ後にキャッシュバックを求めるのは本来は筋違いです。
「いやこの話は感情論であり、何よりも資産が優先だ。」と言う人は田舎の山奥で野宿をすればいい話。
「もちろん住居費なんだけど、なるべく資産も残るようにする。」という話であれば、家賃は払い終わって1円も返ってきません。
持ち家であれば、購入時5,000万円だったのが30年後に5万円の価値になろうが、5万円は返ってきます。
1円も返ってこないよりマシだと思います。
ただし上記は、同じ家に長期間住み続ける前提の話です。
短期間で住み替えることを考えるならば、資産価値がキープされる家を購入しなければいけませんし、そもそも賃貸がよいという話になります。
ここは7)で改めてお話しします。
5)修繕費や固定資産税で持ち家は高くつく
長期間同じ家に住むとしても、「持ち家は高くつく」と言われることがあります。
持ち家は家本体の取得費用(住宅ローン)だけでなく、固定資産税や修繕費なども発生すると言われます。
これについても疑問に思います。
例えばここに5,000万円の家があり、35年住み続けるとします。
戸建てでもマンションでも新築でも中古でもどちらでもいいです。
持ち家でフルローンで購入する場合、35年で総額いくらかかるか。
本体5,000万円+金利900万円+火災地震保険料150万円+固定資産税500万円+修繕費500万円⇒総額7,050万円
(適当に計算したので内訳は気にしないでください。)
ではこの家を自分で買わず、誰か他の大家さんに買わせ自分は賃貸として住む場合どうなるか。
家を購入した大家さんは基本的に持ち家と同じだけのお金がかかります。
ローンの金利も火災地震保険料も固定資産税も修繕費も、全て発生するので基本的に同じ7,050万円が発生します。
大家さんはそれを35年掛けて取り返そうとすると、7050万円を35年×12ヶ月で割った金額を家賃の最低金額としなければなりません。
すると家賃は最低でも16万7千円です。
しかもこれだけでは大家さんの利益はありませんし、空室リスクも考えていくらか上乗せして家賃を設定します。
仮に月1万3千円上乗せして月18万円の家賃にした場合、35年住み続けると総額7,560万円になり持ち家の総額を上回ります。
大家さんがもっと短期間で回収しようとした場合、もっと高い家賃設定になり、更に高い出費になります。
同じ条件で持ち家と賃貸を比較するということはこういうことだと思います。
持ち家は固定資産税や修繕費を払わなければならないと言いますが、賃貸の場合も家賃に含めて間接的に払っています。
加えて、大家さんの利益や管理会社の管理費、空室リスクなどで持ち家より多くの額を払うことになります。
「いや、大家さんは自分が住む訳ではないので必要最低限の修繕しかしない!」というのであれば、持ち家の場合も35年持たせるだけの最低限の修繕だけすればよいだけの話す。
それで35年経って家が住めない状態まで劣化しても、賃貸と比べて損はないはず。
ただここの理論については私もあまり自信がありません。
なぜなら、賃貸の家賃設定についてよく知らないからです。
もし間違っていたらどなたか指摘して頂きたいです。
6)賃貸で我慢する
5)と重なる部分もありますが、「持ち家は高いから、賃貸で我慢しなさい。」とよく言います。
なぜ賃貸が安くて持ち家が高いという認識なのでしょうか?
なぜ賃貸が我慢の対象なのでしょうか?
5)で説明した通り、同じ家に住むのであれば持ち家も賃貸も同じ費用がかかります。
むしろ賃貸の方が高いです。
長期間住むなら尚更、持ち家はいつか払い終わりますが、賃貸は払い終わることはありません。
でも「持ち家を買ったことで月々の住居費が上がった。」と皆言います。
さて、今まで住んでいた家とこれから住み始める家の住居費を比べることは、持ち家VS賃貸の比較になっているでしょうか?
ここでの本質は持ち家を買うついでに広い家にしたことです。
住居費が上がるのは、
賃貸 ⇒ 持ち家
ではなく、
狭い家 ⇒ 広い家
設備の整っていない家 ⇒ 設備の整った家
古い家 ⇒ 新しい家
立地の悪い家 ⇒ 立地の良い家
です。
広い家に引っ越せば賃貸であろうが住居費が増えるのは当たり前です。
「節約のために賃貸で我慢しなさい。」ではなく「節約のために狭い家で我慢しなさい。」が正しく、
「持ち家を買ったから家計が苦しくなった。」ではなく「広い家に引っ越したから家計が苦しくなった。」が正しいです。
7)新築はすぐに価値が落ちるから
確かに新築は鍵を開けた瞬間に価値が数百万円落ちると言います。
それは、新築価格にはハウスメーカーの営業費などが乗っていてそれは家本体の価値として残らないからです。
なので、1)で述べた「家の資産価値<ローンの負債額」という状況になり易いのは事実です。
しかし、「だから持ち家は買わない方がよい」というのは必ずしも言えません。
まず、そもそもこの話は「新築か中古か」の議論であって「持ち家か賃貸か」の議論ではありません。
新築なら賃貸であっても家賃は高くなります。
これは家本来の価値より多めの住居費を払っているということで、持ち家の場合と同じです。
また、新築であっても長く住むのであれば、資産価値と負債額のバランスは関係ありません。
8)結局持ち家を買ってはいけない理由はなにか
ここまで1)~7)で持ち家否定論を否定してきましたので、「持ち家は買ってもよい。」というニュアンスになっていると思います。
しかし私も、必ずしも持ち家を買っていいという訳ではないと思います。
1)~7)で論じてきたことはあくまで長期間同じ家に住み続けることが前提の話です。
これが短期間で住み替えとなると、状況は非常に厳しくなってきます。
賃貸であれば住んだ分だけ家賃を払いますので、住んでいない期間については費用は発生しません。
しかし、持ち家であれば35年(返済期間)分を前払いしているイメージですから、35年未満で住み替える場合は住んでいない残りの期間分のお金を返してもらわなければなりません。
ここで残っている資産価値が重要になり、ローン残高以上の価値が残っている、すなわちローン残高以上の金額で売れれば、住んでいない期間分のお金が返ってくることになります。
資産価値がローン残高以下で、その額でないと売れなければ、一部しか返金されないことになります。
多少の目減りで済めばまだいいですが、全く買い手が付かなければ1円も戻ってきません。
ただ、最初から数年しか住まないと分かっていれば誰でも賃貸を選びます。
短期間しか住まない家に持ち家VS賃貸議論など生まれません。
本当に難しいのは、死ぬまで住むと決めていた家でも予期せぬ事態で住み替えが発生する可能性があるということです。
このリスクは誰にでも発生する可能性はあります。
近所に公害を発生させる施設ができる、近所の人とトラブルになる、天災に会う、子供の学校でトラブルに合う、離婚するなど。
だから持ち家はリスク、持ち家は買ってはいけないと言われるのです。
5)で「同じ家に住むなら賃貸の方が高くつく」と言いましたが、この高くついた金額は住み替えリスクに対する『保険』だと私は考えています。
なので「持ち家VS賃貸議論」は「保険要るVS要らない議論」と同じだと思います。
持ち家否定論には「家は負債だから」「家はマイナスのキャッシュフローだから」と言う人がいますが、それは本質的な理由ではありません。
「誰しも住み替えのリスクがあるから」と言った人だけが、唯一正しい持ち家否定論者だと思います。
2.住み替えリスクがあるから買うべきではない?
1)住み替えリスクはあっても必ずしも賃貸が有利ではない
持ち家を買うべきではない理由、持ち家か賃貸かの最大かつ唯一の論点は「誰しも住み替えのリスクがあるから」だと言いました。
では誰しも住み替えのリスクがあるから、家は買わない方がよいのか?
これには絶対の答えはないですね。
賃貸は保険だと言いましたが、ガン保険に例えると分かりやすいです。
誰しもガンになる可能性はあります。
ガンになる前提で考えれば保険に入っていた方がいいです。
でもガンにならないケースもあり、その場合結果論で言えば保険に入らない方がよかったとなります。
使わなかった保険料は無駄な出費になります。
家も同じです。
住み替えるかもしれないと思って賃貸で住んでいたけれど、家族皆その家とその地域が気に入って住み替える必要がなかったら、持ち家にしておけばよかったとなりますよね。
「子供が独り立ちして仕事も定年退職したら狭いマンションに引っ越すから、賃貸に住んでいた方が住み替え易い。」という意見もありますが、住み替えのタイミングが長期間元の家に住んだ後でローンもほとんど払い終わっているのであれば、持ち家が廉価でしか売れなくてもほとんど損はない訳です。
逆にそこから先同じ家に住み続ければ、賃貸で家賃を払い続けるよりもはるかに安いです。
「夫婦2人だけになると子供と住んでいた家は広すぎるから」と言いますが、広すぎるけど家賃のかからない家と、ちょうどいい広さだけど家賃のかかる家と、どちらがいいかという話です。
広すぎると掃除が大変だからとも言いますが、こじつけかなと思います。
2)賃貸だから失敗しないとは言えない
賃貸派のお金系YouTuberで「私の実体験として持ち家を買って失敗したから。住み替えの時に売れなかったから。」と言う人がいます。
もしかしたら持ち家のリスクの本質を突いた話かもしれません。
でも、ただ単にあなたの管理能力が低いだけでは?とも思います。
持ち家を買って途中で売った人の中にも、大して損をしなかった人もいます。
買うタイミングや買う場所、家の仕様などを考えて買えば必ずしも失敗するとは限りません。
また売るタイミングも重要ですので、急いで売らなければならない状況を作らない努力も必要です。
確かに持ち家は、そのようなことを注意して買わなければならないこと自体がデメリットかもしれません。
しかし、本当に管理能力の低い人であれば、賃貸に住んでも失敗する可能性はあります。
家賃相場10万円なのに15万円の家賃を払って住み続ければ完全に失敗ですよね。
3)賃貸派優勢の違和感
持ち家VS賃貸はどちらもメリット・デメリットがありますが、最近のお金系動画を見ていると賃貸派が優勢に見えます。
それも素人YouTuberばかりではなく、お金に強い有名人も賃貸派が多いように見えます。
しかし、持ち家を持ちたいと思っている人は、この状況にどこか違和感を感じませんか?
その違和感は、賃貸論者のステータスの偏りから来ていると思います。
動画などで賃貸を勧めている人を見ると、芸能人、実業家、経営者、フリーランス、YouTuber、独身、子なし既婚者の人が多いと思いませんか?
この記事では住み替えに対しては賃貸の方が有利と言っていますが、上記のステータスの人は恐らく住み替えが多いです。
多いと言うか、自由に拠点を変えられることを必要としているし、そのような状態を望んでいます。
そのような人が賃貸を好むのは当たり前です。
トップYouTuberが家賃100万円超の都内のタワーマンションに住んでいたりしますが、いくら稼いでいるからと言ってそんな家を持ち家で購入する人はいないと思いますし、ほとんどの日本人はそのような世界とは無縁です。
妻子がいる会社員・公務員は決まった拠点を持つということにも必要性を感じます。
別に会社員・公務員が正しいという話ではなく、多数派の人からすると配信する内容が偏り過ぎているということです。
日本はこれから終身雇用は崩壊すると言われており、私もそれはそれでいいとは思います。
でも、今のところは崩壊していないと思いますし、恐らくそのままの会社に残った方が将来の期待値が高いという人の方が多いのではないかと思います。(私の感覚ですが)
それに仮に転職が活発化したとして、必ずしも家を住み替える必要があるでしょうか?
地方に住んでいて車通勤を基本としているなら、職場が変わっても影響は少ないと思います。
都市部で電車通勤前提だったとしても、本当に転職市場が活発化するならその時の自宅から通える転職先の選択肢も増えていると思います。
独身なら家を変えてでもいい転職先に移ればいいし、子供が地元の学校に通っているのであれば、今の家から通える範囲で転職先を探してあげればいいのではないでしょうか。
持ち家が向いている人もいれば賃貸が向いている人もいると思いますが、何人かのインフルエンサーの言葉だけに引っ張られるのではなく、本当に自分がどちらに向いているかよく考えることが必要だと思います。
3.最後に
今回の話をまとめると、持ち家を買ってはいけない理由は、
「誰しも予期せぬ住み替えのリスクがあるから。」
です。
持ち家を検討する際はこのリスクを考えなければいけません。
よく言われる、「持ち家は負債だから。マイナスのキャッシュフローだから。資産価値が下がるから。」と言うのは本質的な理由ではないと思います。
そもそもですが、持ち家VS賃貸議論に決着がつかないのは当たり前ですよね。
将来のことは誰にも分からないので、確実に正解を選ぶことはできないからです。
将来のことが分かれば議論する必要がありません。
誰にも分からないから、人それぞれの確率で議論し続けるのです。
今回、思っていることを文章にしてみようと思ったら、つい長文になってしまいました。
何度も言いますが、私は賃貸を否定している訳ではありません。
持ち家がいいか賃貸がいいかは本当に人によると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
筆者(やんとも)とこのブログについての紹介です( ^ω^)b
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お隣さんの敷地まで伸びた植木の枝を剪定 戸建ては管理が大変【DIY】
こんにちは、やんともです。
マイホームに住み始めて9ヶ月、最初の冬を越し最初の春を迎えました。
ゴミ捨てに行った際にふと我が家と裏のお宅との境界を見ると、庭の植木の枝が裏のお宅の敷地上まで伸びていました。
民法上は自分の家の敷地を超えて植木の枝を伸ばしてはいけないので、高枝切り鋏を使って剪定しました。
剪定した時の様子と、戸建てにおける管理の大変さについてお話しいたします。
1.伸びた植木の枝
2.高枝切り鋏の購入
3.剪定作業
4.戸建ては管理が大変
5.最後に
1.伸びた植木の枝
今回枝を伸ばしたのは、我が家の裏(小庭)に植えられた木です。
この植木は道路や裏のお宅からの目隠しの役割もしています。
伸びた植木の状況は以下の写真の通りです。
敷地の境界を完全に跨いでいます。
今の家に入居して以来あまり気にしていませんでしたが、冬を越して春になって一気に伸びたのだと思います。
1年以上手入れされていないので、木全体がもっさりしています。
木は自然にしておくとこのようにもっさりなるらしいですね。
綺麗な姿をしている木は剪定して枝を空いているのだと、植木屋さんに教えてもらいました。
枝を切らなければいけませんので、高枝切り鋏を購入することにしました。
一度植木屋さんに頼もうかとも思いましたが、あまり見た目はこだわっておらず、とにかく伸びた枝をさっぱりさせればいいので今回は自分で切りました。
植木屋さんにはいずれお願いしようと思います。
高枝切り鋏が届いて実際に枝を切るまでに少し時間がかかるため、取り急ぎ裏のお宅へ謝罪に行きましたが、全く気にされていないというか、気づいてもいない様子でした。
2.高枝切り鋏の購入
木が植えられている小庭の地面から木のトップまでの高さは約5mでした。
思ったより高いです。
更に道路と小庭は80cmぐらい高低差があるので、道路からの高さは6m近くあります。
高枝切り鋏はなるべく長いものがよいですが、私がいくつか見た中では4mが最長で、また長い物は扱い難かったり、他の機能で劣っていたり、高価だったりしますので、地上から全ての枝に届かせることは諦め、ほとほどの長さで扱い易い物を選ぶことにしました。
また切断可能な枝の太さもなるべく太い物を選ぶようにしました。
今回選んだ高枝切り鋏は以下の商品です。
長さは1.8m~3.0mで、5段階調節が可能となっています。
重さは980gと軽く、素人でも簡単に扱えます。
切断可能な枝の太さは15mmです。
グリップが回転して切りやすい向きに鋏を向けることができます。
切った枝を落とさない掴み機能も付いており、先端には鋸アタッチメントを付けることもできます。
Amazonで6,500円でした。
届いてすぐ商品を確認していたところ、鋸アタッチメントを固定するボルトのネジ山が潰れていることに気づき、不良品としてクレームを入れることになりました。
業者もしっかり対応してくれて、すぐに代えの商品を送ってくれました。
あくまでアタッチメントの固定用のボルトが傷んでいただけで、鋏本体の構造や機構には全く問題ありませんでした。
余談ですが、高枝切り鋏と言えば私が小学生の頃のテレビショッピングでよく売られていたのを思い出します。
今から25~30年ぐらい前でしょうか。
通販とかで商品説明する人って本当に上手いですよね。
当時小学生ながらに、使うはずのない高枝切り鋏を欲しいと思ってしまっていました。
3.剪定作業
休日を使って剪定作業を行いました。
使う道具はまず購入した高枝切り鋏。
枝の高さに応じて伸縮させて使います。
次に刈り込み鋏。
今回の主役の木以外でも、他の植木や低木も剪定しましたが、手が届く範囲はこの刈り込み鋏の方がパワフルで早いです。
そして鋸(のこぎり)。
主役の木の他に道路に向かって伸びた低木を幹から切り落とすために使いました。
他に、切った枝を集めるための厚手のゴミ袋と、上から枝が降って来るのでできればゴーグルがあった方がよいです。
まずは、道路から高枝切り鋏を伸ばして届く範囲で枝を切っていきます。
太い枝は切れませんが十数mm程度の枝なら楽々切れます。
本体が軽いので、最長まで伸ばしても簡単に扱えます。
ある程度切ったら、上の方は鋏が届かないので、2階のバルコニーから切ります。
これで高いところはOK。
あとは木の下の方を刈り込み鋏で切ります。
ついでにボサボサになった他の木や低木も剪定します。
約3時間かけて90Lのゴミ袋6袋分の枝をカットして本日の作業は終了しました。
伸びていた植木の枝もうちの敷地内に収めることができました。
今後も枝は伸び続けると思いますので、定期的(年に2~3回)に剪定しなければなりません。
4.戸建ては管理が大変
今回は敷地の外まで伸びた植木の枝を剪定しましたが、戸建てに住むとこのような管理がたくさん発生します。
植木に限らず、建物の修繕なども自分で計画を立てて実行しなければなりません。
マンションの場合は、管理費や修繕費積立金を払っておけば、自ら動く必要はありません。
管理人・管理組合が計画を立てて実行しますので、住人はそれに承認をすればよい訳です。
戸建てVSマンション議論における戸建てのデメリットとしても「管理が大変」が挙がります。
私はどちらかと言うとDIYが好きなので、あまりこのようなことを苦とは思いません。
また、仕事で設備の老朽更新などを行うこともあるため、苦手意識もありません。
自分のさじ加減で費用を抑えたり、逆に手厚くしたり、DIYすることもできるので、むしろメリットに感じます。
一方で、家を誰かと共有するということの方がストレスに感じるため、やはり私はマンションより戸建て派かなと思います。
この点は人によって何がストレスで何がストレスでないかは変わってくると思います。
どちらの方がお金がかかるかについては、一概には言えないと思います。
例えば1世帯あたりの植木の量は戸建ての方が多いかと思いますが、マンションはエレベーターなどの共用部分があるため、それぞれにお金のかかる箇所が違います。
5.最後に
今回はDIYで伸びた植木の枝を剪定することができましたが、同時に近隣住民との良好な関係も維持できてよかったです。
今後も定期的にやらなければいけないので大変ではありますが、戸建て派として頑張っていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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ヒートポンプって何?何がすごいの?どんな仕組み?【解説】
こんにちは、やんともです。
中古戸建てを購入しマイホーム生活を始めました。
家や家電に関する話題で「ヒートポンプ」という単語をよく耳にします。
皆さんこのヒートポンプって何か説明できますか?
暖めたり冷やしたりする装置なんでしょうけど、何が特別で何がすごいのでしょうか?
そしてどんな原理で動いてるのでしょうか?
理系男子( )の私がいつもの記事とは趣旨を変えて、「ヒートポンプ」について解説してみたいと思います。
1.前置き
2.ヒートポンプは何が特別なのか・何がすごいのか
■熱を生み出す他の電気機器とは原理が異なる
■自然現象ではありえない「温度の低い所から高い所へ熱を移動させる」
■ヒートポンプが生み出す高いエネルギー効率
3.ヒートポンプの原理
■ヒートポンプの原理まとめ
4.ヒートポンプを使った電化製品
5.私がヒートポンプを理解するまでに年月を要した話
6.最後に
1.前置き
世の中には家電だったりもっと大きな設備だったり、電気エネルギーを元に動く機械がたくさんあります。
それら機械がする仕事の種類は、
・光を放つ
・音を出す
・動力を生み出す
・温度を上げる
・温度を下げる
・計算する
・電波を発する
など様々です。
これら仕事の種類の中で、仕事を実行する上での難易度が意外と高いのが「温度の上げる・下げる」、特に「温度を下げる(冷やす)」です。
原子時代を想像してみてください。
細かい制御は無視するとして、上記の仕事の種類のうち原始時代でもできることは何でしょう。
パソコンやスマホのように計算したり電波を放ったりは当然できません。
しかし、光を放つことはできます。炎を灯せばよいです。
音を出すこともできます。声を出してもいいし、物を叩いてもいいです。
動力も得られます。人間の力を使ってもいいし、重力を使ってもいい。
温度に関しても温度を上げる・熱を発することはできます。火を使ってもいいし、摩擦熱などを利用してもいいです。
では温度を下げる・冷やすことはできるでしょうか?
何か温かい物をキンキンに冷やしたい時。
うちわのようなもので扇いでも周囲の気温以下には冷えません。
水で冷やしても水の温度以下にはには冷えません。
氷で冷やす?
氷はどこから持ってくるのでしょうか?
寒い地域でなければ原始時代に氷はありません。
そうです。自然の物理現象の中で温度を下げるというのは非常に難しいことなのです。
しかし現代では、冷蔵庫やエアコンなど、温度を下げるということに成功しています。
それは原始時代からすればかなりすごいことです。
そしてそれを可能にしているのがヒートポンプです。
ヒートポンプは冷蔵庫、エアコン、乾燥機、電気給湯器などに使われています。
温度を上げたり下げたりする装置です。
もう少し正確に言えば、「温度の低い所から高い所へ、熱を移動させる装置」です。
それの何がすごいのか、次章で解説します。
2.ヒートポンプは何が特別なのか・何がすごいのか
熱を生み出す他の電気機器とは原理が異なる
「冷やす」ことが難しいということは、前章で何となくわかって頂けたかと思います。
一方で「暖める・温める」ということはヒートポンプでなくてもできます。
例えば、石油ストーブ、暖炉、窯、電気ストーブ、ハロゲンヒーター、IHヒーター、電子レンジなど。
石油ストーブや暖炉は、灯油や薪などの物質が持つ化学エネルギーを熱エネルギーに変えています。
ハロゲンヒーター、IHヒーター、電子レンジなどは電気エネルギーを熱エネルギーに変えています。
(電気エネルギーを熱エネルギーに変える原理はそれぞれ全く異なるので、本当は一括りにするものではありませんが。)
ヒートポンプも物を温めるために使用することもありますが、上記の機械とは異なり、電気によって稼働しますが、電気エネルギーを熱エネルギーに変えることはしません。
ヒートポンプにおいて電気が行っていることは「温度の低い所から熱を奪い、温度の高い所に放出する。」ということです。
ヒートポンプによって物を温める場合、その熱は他の温度の低い所から奪ってきています。
ヒートポンプによって物を冷やす場合は、その逆で、冷やしたいものから熱を奪わせて、他の温度の高い所に捨てているのです。
ヒートポンプが特別なのは、この「温度の低い所から熱を奪い、温度の高い所に放出する。」という概念の部分です。
これがどう特別なのか。
自然現象ではありえない「温度の低い所から高い所へ熱を移動させる」
ヒートポンプは温度の低い所から高い所へ熱を移動させますが、これが逆ならとても簡単なことです。
熱を温度の高い所から低い所へ移動させることはごく普通の自然現象です。
以下の図のように室内の空気の温度が高いA室と温度が低いB室があり、この2室を密着させます。
A室の空気は沢山の熱を持っており、B室の空気は少量の熱を持っています。
A室とB室の間が断熱されていないと、A室の熱はB室へ移動します。
A室の温度は下がり、B室の温度は上がり、やがて同じ温度になって落ち着きます。
熱は必ず温度の高い所から低い所に移動します。
物は必ず高い所から低い所に落下し、自然に低い所から高い所に物が動くことは絶対にありません。
これと同じぐらい絶対的なこととして、熱は温度の高いところから低い所へ移動します。
そして、いずれ両室の温度が同じになり、温度の高低差がなくなったら、それ以上は熱はどちらにも移動しなくなります。
とにかく、熱は高い所から低い所へ移動するということが本日の肝です。
ヒートポンプに話を戻すと、ヒートポンプは上記の自然現象の逆をやろうとしているのです。
温度の低いB室の熱を温度の高いA室へ移動させる。
自然現象ではあり得ないことです。
原理は次章で説明しますが、このあり得ないことをやってのけたことがヒートポンプのすごいところなのです。
ヒートポンプが生み出す高いエネルギー効率
概念としてヒートポンプがすごいことは説明しました。
が、そんなことは置いといて、ヒートポンプを使った製品を使うユーザー目線で、実績値としてヒートポンプのすごいところをお話しします。
ヒートポンプを使った製品の1つにエコキュートという電気給湯器があります。
一方、給湯器と言えばガス給湯器もあります。
最新のガス給湯器エコジョーズはエネルギー効率が約95%だそうです。
これはものすごい数値だと思います。
従来ガスを燃やして熱を生み出して水を温めようとした場合、水以外の余計なものを温めたり、余計な光を放ったりして、ガスが持つエネルギーの100%を水に与えることはできません。
しかし、最新のエコジョーズは100%に近いエネルギー効率を実現しているのです。
対してヒートポンプ式のエコキュートのエネルギー効率はどうか。
最も効率のいいものだと350%だそうです。
先ほどエコジョーズの95%はすごいと言いましたが、それをはるかに超える驚愕の数字を叩き出しました。
(と言っても、実際に家庭で使用してこの効率は出ないと思いますが。)
そもそも、なぜエネルギー効率が100%を超えることができるのでしょうか?
それは上でも説明した通り、電気のエネルギーを熱エネルギーに変えている訳ではなく、外気(温度の低い所)が持つ熱エネルギーを水に与えているからです。
電気は外気から水へ熱エネルギーを運ぶ役割、まさに“ポンプ”を動かすために使っているに過ぎないからです。
外気からはほぼ無限に熱エネルギーを奪うことができるので、そのエネルギーを上手く水に与えることができれば100%を超えるエネルギー効率を実現できるのです。
だからヒートポンプは「効率がいい」「省エネ」「電気代が安い」と言われるのです。
3.ヒートポンプの原理
前章までで「ヒートポンプは温度の低い所から高い所へ熱を移動させる」と言う事と、「それは自然界ではあり得ないことを実現している」と説明しました。
ではそのあり得ないことをどのように実現しているのか。
ヒートポンプの原理をお話しします。
先ほどと同じように温度の高いA室と温度の低いB室があります。
A室の気温を25度、B室の気温を15度とします。
自然現象では熱はA室からB室へ移動します。
ヒートポンプはこの逆でB室からA室へ熱を移動させようとしています。
エアコンの冷房に当てはめて、A室を熱い夏の外気、B室を冷房の効いた涼しい室内と考えてもらうといいです。
もしくは、逆に暖房に当てはめて、A室を暖房の効いた温かい室内、B室を寒い冬の外気と考えてもらってもいいです。
ヒートポンプは下のように回路状になった配管が2つの部屋に跨ってあります。
この中を作動流体と呼ばれる気体が一方通行に循環しています。
エアコンガスはこの作動流体の一種です。
そして、この配管上に
①エバポレータ(熱交換器)
②コンプレッサ(圧縮機)
③コンデンサ(熱交換器)
④減圧機
と言う4つ装置があります。
今、配管上のアの部分に5℃の作動流体が入っているとします。
この作動流体がイまで移動する途中で①エバポレータ(熱交換器)を通過すると、作動流体はB室の空気と熱の授受を行います。
ここでB室の温度は15℃でアの作動流体の温度5℃より高く、熱は必ず温度の高い所から低い所に移動しますので、熱はB室の空気から配管内の作動流体へ移動します。
これでB室の熱を奪うことができました。
あとは奪った熱をA室に放出すれば目的達成です。
しかし、B室から熱をもらった後のイの部分の作動流体の温度は、どんなに高くても15℃です。
一方A室の温度は25度ですので、A室の空気とこの作動流体で熱交換をしたら、A室から作動流体へ熱が移動してしまいます。
そこで活躍するのが、②コンプレッサ(圧縮機)です。
イの作動流体はウへ移動する途中で②コンプレッサを通り圧縮され、温度が上がります。
なぜ圧縮されると温度が上がるかは説明すると長くなるので割愛しますが、気体の分子運動が激しくなり温度が高くなると言うことだけ知っておいてください。
②コンプレッサで圧縮されたウの作動流体の温度は35℃まで上がります。
その状態でエまで移動する途中で③コンデンサ(熱交換器)を通過しA室の気体と熱交換をすると、今度は作動流体の方が温度が高いので、熱は作動流体からA室の空気へ移動します。
これでB室から奪った熱をA室へ放出することができました。
これで目的は達成しました。
と言いたいところですが、これで終わる訳にはいきません。
A室へ熱を放出した後のエ部分の作動流体を①エバポレータまで回して、再度B室の熱を奪わせなければなりません。
ここで③コンデンサを通過した後のエの作動流体の温度は、どんなに低くても25℃です。
このまま①エバポレータへ行ってもB室の熱を奪えず、逆に作動流体からB室の空気へ熱を放出してしまいます。
そこで最後に役に立つのが④減圧機です。
こちらは②コンプレッサと逆で、作動流体を膨張させ圧力を下げて温度を下げます。
圧縮と逆で膨張させると流体の温度は下がります。
④減圧機を通過した作動流体はアの部分で5℃となり、再度スタートに戻って同じサイクルを繰り返します。
これで、作動流体が配管内を循環することで、B室の熱をA室へ移動し続けることができるのです。
そして、ヒートポンプが電力を消費するのは②のコンプレッサです。
自転車のタイヤに空気を入れる際に体力を消耗するのと同じように、流体を圧縮するためにはエネルギーが必要です。
電気でコンプレッサを動かして作動流体を圧縮させます。
④減圧機は逆に高圧の流体を膨張させますので、外からエネルギーを加えなくても勝手に膨張してくれます。
エバポレータやコンデンサもただの熱交換器ですので、電力(エネルギー)は必要ありません。
作動流体がそこを通過することで熱の交換が行われます。
ヒートポンプの原理まとめ
ポイントをまとめると、
- 作動流体が配管内を循環しながら、温度の低いB室の気体から熱を奪い、温度の高いA室の気体へ熱を放出する。
- A室へ熱を放出するためには、作動流体はA室の気温より高い温度である必要があるため、コンプレッサで圧縮して温度を上げる。
- B室から熱を奪うためには、作動流体はB室の気温より低い温度であある必要があるため、減圧機で膨張させて温度を下げる。
- コンプレッサで電力を消費する。
と言うことです。
4.ヒートポンプを使った電化製品
上記で原理を説明したヒートポンプは、熱(温度)に関わる多くの家電に使われています。
最も分かりやすいところがエアコンです。
エアコンを設置する際に壁に穴を開けて通すホースは上記の作動流体の配管です。
エアコン屋さんが補充するエアコンガスは作動流体です。
室外機は、冷房の時はコンデンサの役割、暖房の時はエバポレータの役割です。
これにより、夏場は室内の温度を下げ、冬場は室内の温度を上げることができるのです。
冷蔵庫も昔からヒートポンプが使われています。
冷蔵庫の作動流体は冷媒ガスなどと呼ばれます。
昔はフロンガスが使われていましたが、オゾン層破壊の原因になることから、今はプロパンガスに似た気体が使われています。
エコキュート(電気給湯器)もこの原理を使って高効率でお湯を沸かすことができます。
外気との熱交換のためにエアコンの室外機に似た装置が付いています。
ドラム式洗濯乾燥機もヒートポンプで空気を温め、衣類を乾燥させます。
5.私がヒートポンプを理解するまでに年月を要した話
以下は完全に余談です。
私がヒートポンプという装置をちゃんと認識したのは高校の物理の授業でした。
ちゃんと習ったというより、教科書の1ページの半分ぐらいにおまけレベルで書いてあっただけです。
しかも、ちゃんと原理などが説明されている訳でなく、「ヒートポンプはエンジンの逆の原理」という分かりづらい表現をされていました。
私は高校時代、物理の成績はかなり良かったですが、ヒートポンプの原理だけは卒業するまで理解ができませんでした。
「エンジンの逆の原理」と聞いて意味が分からないと思いますが、大雑把に説明すれば、
エンジン :熱(ガソリンの燃焼)から動力(回転)を得る
ヒートポンプ:動力(コンプレッサの稼働)から熱を得る
ということです。
当時(17年ぐらい前)はネットで何でも調べられた訳ではありませんし、おまけレベルの話を細かく説明した参考書はありませんし、友達もおまけの話に興味はないし、先生も実はよく分かってないし、とにかく理解できませんでした。
高校を卒業した私は理系の大学へ進みますが、それでもやっぱりヒートポンプについて理解できません。
大学の教科書や教授は、そもそも丁寧に教えようというつもりがありません。
そんな感じで高校の頃から5年ぐらいヒートポンプのことを理解しようとして、頭の中で色々考えていたある時「あっ、そういうことか。」と突然上記の原理が頭の中で整理でき、理解することができました。
もう一度言い訳をしておきますと、当時は丁寧に解説してくれる参考書やネットの記事は簡単には手に入りませんでした。
この記事では私なりに誰にでも分かるようにヒートポンプを解説したつもりですが、どうですかね?
6.最後に
今回はいつもと違ってちょっと物理学の解説をしてみました。
家電や家を買ったり建てたりする上で特に知らなくてもよいことですが、ちょっと知っておくとスッキりして機器を選んだりできるのではないかと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
筆者(やんとも)とこのブログについての紹介です( ^ω^)b
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近所で建設中の建売り物件を参考に、我が家の新築価格を推測してみた【家探し】
こんにちは、やんともです。
今の家を中古で購入し、住み始めて9ヶ月が経ちます。
大きな問題もなく快適なマイホーム生活を送っておりますが、本当に買っていい物件だったのか、この場所の地価は大丈夫なのか、この家は割高物件ではなかったのか、常に気にしています。
その答えは住宅ローンを返し終わるまで分からないと思いますが、そのヒントを得るには近くで売り出し中の物件価格を調べるという方法があります。
ちょうど近所に新築物件がありましたので、価格を調べてみました。
1.我が家の周辺について
2.私が入居したころに近所で売られていた物件
3.現在建設中の建売り物件
4.私の家を今新築で買うならどれぐらい?
5.最後に
1.我が家の周辺について
私は昨年4月に千葉県内に築18年の中古戸建てを購入し、7月から住み始めました。
具体的な取得価格は公表を控えておりますが、本体価格は3000万円台です。
最寄駅からは徒歩13分で、バスで他のターミナル駅に出ることもできます。
昔からある住宅地と言った感じで、見た感じでは築30~40年ぐらいの家が多いように感じます。
新しい住宅地ではありませんが、同世代の子育て家庭も多く、雰囲気もよいので庶民には暮らしやすい地域ではないかと思います。
古い家も多いですが、築数年以内の家も所々あり、空き地や売り出し中の新築物件もちょくちょく見かけます。
2.私が入居したころに近所で売られていた物件
私が今の家に入居して1~2ヶ月ほど経った頃、家から徒歩2分のところで建売り物件が3棟売られていることに気が付きました。
売り出しが始まった時期や建物が完成した時期は分かりませんが、恐らく私がこの家に住み始めた頃に完成したのではないかと思います。
売り出されていることに気が付いて間もなくして売れてしまったので、今では家の仕様や価格を調べることができません。
外から見た感じでは、建物面積100m2弱の4LDKかと思います。
売り出し中は物件の前に価格が貼りだされていましたが、確か4000万円台中盤だったかと思います。
3.現在建設中の建売り物件
現在は家から徒歩1分の場所に建売り物件2棟が建設中です。
家から建設現場が見えますが、棟上げは一瞬の出来事なんですね。
こちらの物件は現在も売り出し中ですので、不動産サイトで調べてみました。
まず土地面積は133m2で、我が家の120m2より広いです。
建物面積は105m2で、こちらは我が家の109m2より若干狭いです。
家の前の駐車スペースがしっかり取られているようです。
間取りは4LDKで特殊な間取りではありませんが、2階建ての屋上にルーフバルコニーが付いるのが特徴です。
2章の物件もそうですが、ルーフバルコニーは流行っているのでしょうか?
最近は雨漏りリスクからバルコニー・ベランダは付けない方が良いという意見もよく聞きますね。
うちもバルコニーはありますので、ガクブルしています。
そして価格ですが、・・・5000万円台前半です。
ウソやろ、と思うぐらい高いです。
私なら住宅ローンの審査が通りません。
我が家と比べて1500万円以上高いです。
もちろんこちらは新築ですし、設備も最新で住宅性能も高い、おまけにルーフバルコニー付きですので、高いのは当然です。
それでも、土地も特別に広い訳ではないですし、注文住宅ではなく建売りですのでここまで高いという感覚はありませんでした。
また、同じ新築でも2章の物件と比べても500万円ほど高いです。
この乖離は何でしょうか。
まずは単純に条件や仕様の差があると思います。
我が家にはないルーフバルコニーは、追加で100万~200万円程度かかるそうです。
2章の新築にもルーフバルコニーはありますが、外から見た感じでは土地面積・建物面積はこちらの物件の方が広そうですので、更に金額を押し上げていると思われます。
次にハウスメーカーです。
この5000万円台の物件のメーカーはヤマダホームズです。
坪単価を調べてみると60万~80万円/坪とのことで、中位~上位メーカーにランクされると思います。
ただ、この坪単価はあくまで注文住宅の単価のようですので、建売りとなるともう少し下がるかと思いますが、決してローコストの分類ではなさそうです。
また、2020年以降の戸建て不動産価格の上昇も、相場より高く感じさせている原因の1つかと思います。
下記のグラフは不動産種別(住宅地、戸建て住宅、マンション)の不動産価格指数の推移です。
2010年の平均価格を100とした指標です。
マンションの価格高騰が目立つのはここでは置いておいて、ほぼ横ばいで推移してきた戸建てにおいても2020年以降で僅かながら上昇が見られます。
グラフは全国平均ですが、私が住んでいるエリアでもほぼ同じ推移となっています。
そして、昨今のウッドショックおよび電子機器高騰の影響もあります。
ウッドショックは2020年頃から発生している建築用木材の高騰です。
海外での建築需要の増加や世界的な物流ひっ迫に加え、コロナ禍による伐採作業の停滞が原因と言われています。
ここにウクライナ情勢も効いているのでしょうか?
また電子機器の高騰も、コロナ禍による半導体生産の停滞で、住宅用機器に限らずあらゆる電子機器で生産の遅れが生じ、販売価格が高騰しているというものです。
今年建設が始まった戸建てでは1棟あたり数百万円の値上げとなるケースもあるようですので、2章の物件との価格差はここも大きいのではないかと思います。
上で書いた戸建て不動産価格の上昇にも影響していると思います。
4.私の家を今新築で買うならどれぐらい?
冒頭の話に戻ると、結局私が昨年購入した家を今新築で買うといくらぐらいになるのでしょうか?
もちろん正確な額は分かりません。
立地はほぼ同じか、僅かに私の家の方が良いです。
広さは恐らく2章の物件と3章の物件の中間ぐらいかと思います。
最新の設備でないことや、ルーフバルコニーが付いていないことを考慮すれば、両物件より300万~400万円程度はマイナスになるかと思います。
ハウスメーカーについて、私が購入した家は三井不動産のファインコートという建売りブランドの中古です。
現在でも同ブランドは存在します。
現在と当時(18年前)ではブランドのコンセプトが若干異なるかと思いますが、建売りの中では比較的上位のブランドのようです。
そのため、メーカーとしての坪単価は3章の物件に近いのではないかと思います。
それらをざっくり考慮すれば、私の家と同等の家を新築で購入するなら、昨年であれば4000万円台中盤、今年建設されていれば4000万円台後半ではないかと推測されます。
よって、昨年中古で購入したことで1000万円以上は安く取得できていることになります。
不動産のプロであればもっと値を下げて購入できるのかもしれませんが、素人の私なりには合格点ではないかと思います。
あとはこの5000万円台の物件がすぐに売れてくれればホッとします。
長く売れ残るようであれば、同じエリアに住む者として不安になってきますね。
5.最後に
今回は近所で売られていた物件、および現在建設中の物件を元に、私の家を今新築で取得するならいくらかかるかを推測してみました。
とは言っても、この推測の精度が高い訳でもなく、今後想定以上の地価の暴落があるかもしれませんので、そういうことも覚悟しながらマイホーム生活を続けていかなければなりません。
住宅ローンを完済する日はちゃんとやってくるのでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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