贈与税 資金援助がある場合は注意【マイホームの購入】
こんにちは、やんともです。
中古戸建てを購入しマイホーム生活を始めました。
家探しの体験談を綴っていきたいと思います。
家を購入する際に、親族などから資金援助を受ける方もいらっしゃると思います。
この援助は贈与という扱いになりますので、金額によっては贈与税を納める必要がありますし、それを怠ると脱税になります。
よって援助を受ける場合の贈与税の計算や贈与税の節税方法についてお話しします。
1.贈与税の税額
2.住宅取得時の贈与に関する控除
■基礎控除
■住宅等取得資金の非課税制度
■相続時精算課税制度
3.贈与税の節税方法
■予め贈与を受けておく
■一旦借りたことにして基礎控除を使って後から貰う
■費用として使ってしまう
4.贈与税の申告と控除の申告
■申告が不要なケース
■申告・納税時期
■申告方法
5.最後に
1.贈与税の税額
贈与税の額は以下の式で計算します。
贈与税額 = (受贈額 - 基礎控除110万) × 税率A - 控除額B
受贈額は援助をもらう金額、基礎控除は110万円で固定です。
税率Aと控除額Bは(受贈額-基礎控除110万)の金額によって下表の通り決まります。
例えば、700万円の贈与を受けると、受贈額700万円-基礎控除110万円=590万円で、上表より税率A:30%、控除額B:65万円なので、贈与税は590万円×30%-65万円で112万円となります。
700万円貰ったのに対し100万円以上税金で取られるので結構痛いです。
しかし、住宅購入における贈与(資金援助)であれば、2章・3章で述べる控除制度や節税テクニックで贈与税額を大きく抑えることができます。
2.住宅取得時の贈与に関する控除
住宅取得に関わる贈与税の控除には以下のようなものがあります。
基礎控除(暦年課税制度)
これは前章の税額計算でも出てきたもので、控除額110万円と決まっています。
住宅取得に限った制度ではなく、現金、預金、家を含む固定資産など、あらゆる贈与の合計に対して、110万円まで控除されます。
正確には年間110万円ということですので、今年もらう贈与に関しては110万円しか控除されませんが、年が変わって来年もうら贈与についてはまた110万円控除できます。
またこの制度は、年間110万円までなら何年でも利用することができます。
住宅等取得資金の非課税制度
住宅購入のために資金援助をもらう場合は、別途この制度を利用できます。
住宅購入費に消費税10%が付くか、そうでないかで控除額が変わってきます。
中古住宅は個人の売主さんから買うケースが多いと思いますが、個人間の売買では消費税は掛かりませんので表の下段になります。
この制度を利用するためにはいくつか条件があります。
①資金を援助してくれる相手が直系尊属(両親や祖父母)であること。
②援助を受ける人が20歳以上であること。
③援助を受ける人の年収(課税所得金額)が2000万円以下であること。
④購入する(新築する)家の登記上の床面積が40m2以上240m2以下であること。
⑤中古住宅の場合、築20年以内(耐火構造であれば築25年以内)であること。
⑥⑤に該当しない中古住宅の場合、耐震基準に適合し、かつそれを証明できること。
上記は一部抜粋ですので、詳細は国税庁HP等をご確認ください。
また、上表の「省エネ等住宅」とは、以下のいずれかの条件を満たし、所定の書面にてそれを証明できる住宅です。
①断熱等性能等級4、もしくは一次エネルギー消費量等級4以上であること。
②耐震等級2以上、もしくは免震建築物であること。
③高齢者等配慮対策等級3以上であること。
こちらも詳細は国税庁HPをご確認ください。
上表は住宅取得の契約が2020年4月1日~2021年12月31日の場合に適用されますので、それ以外の期間に契約した場合は控除額が異なる可能性があります。
また、この制度は住宅取得費として贈与を受けた資金が対象ですので、貯金、投資、その他の買い物など、住宅取得費以外には使うことができません。
以下は、住宅取得費として含めることができるものと、含めることができないものの一例です。
【住宅取得費として含めることができる】
・土地、建物の購入代金
・建物の建築費用
・仲介手数料
・購入にかかる税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税、固定資産税)
・融資手数料
・登記費用(司法書士の報酬)
・リフォーム代
【住宅取得費として含めることができない】
・火災保険料、地震保険料
・テレビ、インターネットの敷設費用
・引っ越し費用
・住宅ローンの利息、保証料、団信保険料(家の使用開始までに発生するものは取得費に含めることができる)
私の場合は、消費税非課税(個人間売買)の省エネ等住宅に該当しない住宅で、2021年4月に売買契約を結びましたので、この制度で500万円まで控除を受けることができます。
上の基礎控除110万円と合算で610万円まで非課税となります。
相続時精算課税制度
上記とは別に2500万円まで非課税となる制度です。
ただし、この制度で非課税となった金額は、相続税の計算の際に相続額として加算されます。
例えば、この制度を使って両親や祖父母から2500万円の贈与を受けて非課税とした場合、贈与してくれた人が亡くなった時に1円も遺産を貰わなくても、2500万円の相続を受けたことになり、その分の相続税を納めなければなりません。
納税の先延ばしですね。
単純に税率だけで考えれば贈与税より相続税の方が安いですが、次章の節税テクニックを使えば贈与税の方が安くなる可能性があります。
3.贈与税の節税方法
住宅取得時に贈与税を節税するにはいくつかの方法があります。
予め贈与を受けておく
数年前から「家を購入する際は援助する」と言われている家であれば、予め贈与を受けておくことで節税することができます。
基礎控除で年間110万円まで非課税で贈与できるため、数年前から毎年110万円ずつ贈与を受けておき、家を購入する際にまとめて使います。
「先にお金を渡したら、家を買う前に他で使い切ってしまう」という人は、親の口座から子名義の銀行口座にお金を移し、通帳とキャッシュカードを親が持っておけば、子が使い込むこともなく予め贈与を受けることもできます。
一旦借りたことにして基礎控除を使って後から贈与をうける
例えば、非課税枠を超えて330万円の贈与を受けたい場合、贈与という扱いでなく一旦330万円を親から借りたことにします。
借りただけですので、贈与税を納める必要はありません。
そして、翌年子供はそのうち110万円を親に返し、その後親はすぐその年の基礎控除枠を使って110万円を贈与します。
この「行って帰って」を毎年繰り返すと、3年後には330万円は完全に子供の手に移ります。
住宅の資金援助でよく使われるのはこのテクニックです。
ここでの注意点は、税務署から脱税を疑われないように、「あくまで借りただけ」という証拠を残すことです。
税理士さんに聞いた話では、
・親子間で借金の契約書(金銭消費貸借契約書)を交わし、返済方法・返済期間(毎年110万円ずつ)も明記しておく。
・翌年以降、面倒でも一度子から親へ110万円を送金し、再度親から子へ110万円を送金する。(返した証拠を残す)
としておいた方がよいとのことです。
※契約書はネットに載っているものを真似して雛形を作成し、貸主、借主、金額、返済時期を明記し、最後に両者が署名すれば契約書として成立します。
費用として使ってしまう
贈与税の対象となるのは、あくまで“資産性のある金品”を貰った時のみで、一時的な費用であればもらっても贈与になりません。
例えば、親から年間200万円分食事を奢ってもらっても、食事は一時的な費用で資産として残らないので贈与税の対象ではありません。
これを住宅購入時に当てはめると、例えば非課税枠を超えて100万円の贈与を受ける場合、もらったお金を引っ越しや家財の購入に使うことで贈与税の対象外となります。
ここで家財については、高級家具などは資産性が認められて贈与になってしまうことがあります。
一般的に1つ60万円を超えるものは資産と見なされます。
リフォームについても同様に、贈与税の対象となる場合と対象とならない場合があります。
補足として、「個人の親子間の金品の授受がどうして脱税としてバレることがあるのか?」ということを税理士さんに聞いたところ、親が亡くなって相続のために通帳の履歴を調べられた際にバレることがあるそうです。
例えば、3年前に親から子へ100万円が送金されていて、その使い道を追跡したところ、100万円のベッドを購入していたとなれば、「あなたは贈与を受けてますね」ということになります。
このケースであれば、そのまま脱税で捕まるというよりは、その分を相続額に加算されます。
(そもそも、その年にそれ以上の贈与を受けていなければ基礎控除枠110万円に収まります。)
また上記の場合、「このベッドは親の持ち物であり、私は借りて使っているだけだ」と言い張れば贈与という扱いではなくなりますが、結局親が亡くなってしまえば相続として引き取ることになるので、相続財産とみなされます。
では例えば、30年前に親から買ってもらった100万円のベッドが、30年経っても贈与・相続と見なされるのでしょうか?
答えはNOで、基本的に6年経過すれば時効となるそうです。
4.贈与税の申告(非課税の場合も含む)
住宅に際し親族から贈与を受けた場合は、必ず税務署に申告を行い、贈与税を納めるようにしてください。
(住宅取得の場合でなくても、贈与を受けた場合は申告と納税が必要。)
以下の場合を除いて、贈与額が非課税枠に収まって納税額がゼロの場合でも申告は必要です。
申告が不要なケース
以下の場合は申告不要です。
①年間の贈与額が110万円(基礎控除額)以下の場合。
②贈与でなく借りた場合。(契約書を作成し、返済する必要あり。詳しくは前章を参照)
③資産を受け取るのではなく、一時的な費用として援助をもらった場合。(引っ越し費用など)
『住宅等取得資金の非課税制度』の非課税枠内で贈与を受けて、納税額がゼロの場合も申告は行う必要があります。
申告・納税時期
贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日の間に申告を行い、納税を行ってください。
上記期間内に申告や納税を行わないと、追加で加算税や延滞税を納めなければいけない場合がありますので、忘れないように申告・納税してください。
ただし、納税額が10万円を超える場合は、別途手続きを行えば複数年に分割して納税もできるそうです。
申告方法
申告の方法はいくつかありますが、一番簡単な方法はマイナンバーカードを使って、国税庁HP上のe-Taxから申請する方法です。
申請から納税までネット上で完了します。
私はまだ申告を行っておりませんし、ここでは申告・納税の方法までは記載しませんので、申請・納税方法は各サイトをご参照ください。
贈与税のしくみと申告手続(暦年課税を適用する場合) - YouTube
非課税枠内の贈与で納税額がゼロの場合は、申告だけ行えば終了です。
5.最後に
上記は私がネットで調べたり、一部税理士さんから口頭で聞いただけの話なので、住宅購入で贈与を受けられる方は別途国税庁HPで調べたり税理士さんに相談する等してください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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