売主さんたちの売却理由 持ち家のリスクを考える!売家の欠点を見抜く!【中古戸建て】
こんにちは、やんともです。
私は今の家を購入するまでに、4件の中古戸建て物件を見学しましたが、当然ですが売り出し中の中古住宅には売主さん、すなわち前の住人さんがいます。(一度業者が買い取って再販されることもあります。)
そして、売主さんが家を売り出すからには、売却理由・住み替え理由があります。
実はこの売却理由・住み替え理由、他人事ではなくこれから家を買う人にとって3つの大事な話にもつながります。
- 持ち家を買う上での最大のリスクが「意図せぬ住み替え」であり、そのリスクを理解する教本となる。
- 中古住宅を購入する際、売却理由を知ることで物件の欠点を知ることができる。
- 中古住宅を購入する際、売却理由によって値下げのし易さが変わってくる。
住み替えや売却の参考として、本日は私が見学した物件の売却理由をお話しいたします。
1.持ち家最大のリスク「意図せぬ住み替え」
2.中古住宅を買う際は売却理由を知っておくべき
■売却理由から家の欠点を見抜く
■売却理由から値下げのし易さを見抜く
3.売主さんの売却理由を知るには
4.売主さんたちが家を売却する理由
■1件目:田舎へ帰る
■2件目:田舎へ帰る
■3件目:交通の便が悪いから
■4件目(今の我が家):子供が独立したから?
5.最後に
1.持ち家最大のリスク「意図せぬ住み替え」
住居に関する「持ち家VS賃貸」議論については過去に記事で触れています。
持ち家VS賃貸議論の私の結論としては「人による」だと思いますが、長期間同じ家に住む可能性が高い人は持ち家の方が得だと考えています。
持ち家VS賃貸を議論する中で、私が考える最大の争点・持ち家最大のリスクは「意図せぬ住み替え・予期せぬ住み替え」です。
最初から一時的にしか住まないと分かっている人や、色々な家(街)を転々としたいと言う人は迷わず賃貸です。
しばらくは同じ家に住む予定だけど子供が独り立ちした後などいずれ住み替えたいという人も、条件によっては賃貸が良いかもしれませんし、仮に持ち家を持っていても時間を掛けて計画的に売却できるならあまり大きな問題ではありません。
深刻な問題となるのは、一生(もしくは長期間)同じ家に住むつもりでいたけれど、何らか望まぬ理由で住み替えを余儀なくされるケースです。
持ち家を売却するとなると損するケースが多いですし、すぐに売らなければならないとなると尚更条件は厳しいです。
多少安くても売れればまだいいですが、最悪は全く買い手が付かないというケースもあります。
売却せずに賃貸に出すという選択肢もありますが、こちらも希望する家賃で入居者が付かない可能性があるので、結局難しいです。
では、意図せぬ住み替え・予期せぬ住み替えとはどのようなケースがあるか。
- 近隣にできた施設等により、日照権が失われたり騒音が酷くなったり治安が悪くなったりして、生活しづらくなる。
- ご近所さんと揉め事があり、生活しづらくなる。
- 自然災害に会い同じ家に住めなくなる。
- 転職を余儀なくされ、同じ家から職場へ通えなくなる。
- 子供の学校を変えなければならなくなる。
- 離婚する。
- 家族に不幸がある。
色々なケースがありますし、どれも明るい話ではありません。
転職もポジティブな転職であればよいですが、ネガティブな転職もあり得ます。
このようなリスクがあるからと言って持ち家は絶対に買うべきではないとは思いませんが、上記のいずれか1つ以上に遭遇する確率はそれなりにあると思いますし、いずれも完全にゼロにすることは難しいです。
ただし、もし自分たちの価値観において持ち家にメリットを感じるのであれば、上記リスクの確立を下げる努力をすればいいと思います。
ハザードマップを見て災害リスクの少ないエリアを探し、それでも避けれない災害リスクは保険で備える。
ご近所さんと良好な関係を築く。
離婚しないようにお互いを尊重した夫婦生活を送る。
など。
リスクを下げる努力をするためには、まずはリスクをよく知ることが大事かと思います。
2.中古住宅を買う際は売却理由を知っておくべき
中古住宅を買おうとする際、売主さんの売却理由は実は結構大事です。
なぜかと言うと、1つは売却理由を知ることでその物件の欠点を知ることができるからであり、もう1つは売却理由によって値下げ交渉の難易度が変わるからです。
売却理由から家の欠点を見抜く
まず、家を売却するととになった、即ち住み替えの必要が発生したということは、そこに住み続けられない理由が発生したという可能性があります。
その理由が家に関係ないことや売主個人の問題であればよいのですが、その理由が次の住人にも引き継がれる事象であれば要注意です。
例えば、
- 家に欠陥があり生活しづらい。
- 駅が通い、坂道が多いなど根本的に立地が悪い。
- 近隣施設の公害により生活しづらい。
- 治安が悪い。
- 近隣に厄介な人が住んでいる。
- 自然災害に会いやすい。
などです。
その事象が自分にとって許容できるものであればよいですが、そうでなければ基本的に購入を断念した方がよいかと思います。
許容範囲は住む人にも寄りますが、少なくとも1人(売主さん)はそこでの生活に耐えられなかった訳ですから。
もしくは、次で説明する通り、値下げ交渉の材料にして安く購入するかです。
売却理由から値下げのし易さを見抜く
中古住宅の購入は値下げ交渉が行われることが多いですが、売主さんの売却理由によって値下げが通りやすいか通りにくいかが変わってきます。
簡単に言えば、「多少安くてもとにかく早く売ってしまいたい」という事情か、「すぐ売れなくてもいいから条件のいい買い手が付くまで待つよ」という状況かの違いです。
値下げしやすい売却理由の例として、
- 離婚するから。
- 相続した家を現金化したい。
- 仕事の都合やトラブルでこの場所に住み続けられない。他の場所に住まなければならない。
- 家、立地、周辺環境に欠陥や問題があり、生活しづらいから。
があります。
離婚や相続の場合は、長く持ち続けても固定資産税や維持費がかかるし、とにかく早く現金化したいということで値下げが通りやすいそうです。
家に欠陥があったり何らか住みづらい理由があれば、具体的に指摘すると交渉の材料になると言われています。
一方で、売却理由ではありませんが、築年数が浅い物件は住宅ローンが多く残っているため値下げに応じてもらいにくいとも言われます。
「定年退職して田舎へ帰る」や「子供が独立して小さな家に住み替える」は、売り急いではいませんが、ローンもあまり残っていないため、人によっては温情で値下げしてくれる場合もあるかと思います。
結局は、人気物件で売り手市場か、不人気物件で売れ残っているかにはなってくると思います。
3.売主さんの売却理由を知るには
気になっている物件の売却理由を知るには、売主さんに聞くしかありません。
不動産業界の方も、売却理由は買い手として聞く権利があると言われています。
見学で直接売主さんと会う場合は、直接本人に聞いた方がよいです。
買い手として聞く権利はありますが、礼儀は欠かさず「失礼ですが、売りに出している理由を教えて頂けないでしょうか。」といった感じで聞きます。
プライベートに踏み込んで不必要に深く聞くことは控えてください。
既に空家になっていて売主さんと直接会えない場合は、仲介業者経由で聞いてもらうようにしてください。
売主さんに聞く場合も仲介業者に聞く場合も、「教えられない」と言われた場合でも一度は「こちらも高い額を支払って長く住む立場なので、」ぐらいのことは言っていいと思います。
それでも教えてもらえない場合は引き下がるようにして、教えてもらえないという事情も考慮してその物件の購入を判断することになると思います。
私も見学の際は必ず売却理由を質問するようにしていました。
どの売主さんも快く教えてくださいました。
ただし、最終的に購入した今の我が家だけは、既に空家で売主さんにお会いできなかったので質問できませんでした。
当時は気が回らず仲介業者へ聞くこともありませんでした。
売主さんは基本的には教えてくれますが、ウソをついたり真実を隠して答える可能性はゼロではないため、多少は疑ってかかり、違うルートで裏付けを取るなども必要かと思います。
私が見学した中古物件4件の売却理由は、次章で紹介したいと思います。
4.売主さんたちが家を売却する理由
私が家探しの間に見学した4件の物件については以下の記事にまとめています。
※新築建売りもあります。
このうち、中古物件4件の売主さんたちの売却理由を以下にまとめます。
1件目:田舎へ帰る
中古として最初に見学した物件です。
最寄駅は今の家と同じで、築11年の物件です。
見学の際は50代後半と思われる旦那様が対応してくださいました。
優しそうな方で、質問なども快く答えてくださいました。
売却理由は、
娘たち(3人)が独立するので、実家へ帰ろうと思っています。
とのことでした。
この時点ではまだお勤めされていて、定年が近いとも仰ってなかったので、早期退職されるのではないかと思います。
注文住宅を建てて10年ちょっとで売却される訳ですから、経済的には余裕があるのかと推測しています。
感覚的には値下げ交渉も多少は応じてくれるかなと思っていました。
その後数ヶ月は売れ残っていましたが、いつの間にか売れていました。
2件目:田舎へ帰る
今の家を購入した所からは少し離れたエリアにある、築20年の物件です。
※記事の1件目。
見学は60代中盤の旦那様が対応してくださいました。
石原軍団風の男前の旦那様で、既に定年退職済です。
売却理由は、
長野に住んでいる家内の親が体調を悪くして、時々看病に行くんだけど、何回も行くうちに私も長野も悪くないなと思っていてね。
20年前に建てたこの家、とても気に入っているので売る気はなかったんだけど、もしいい値段で売れるなら売りに出して、長野に移住しようかと思っている。
とのことでした。
1件目と同じく、田舎へ移住するパターンです。
子供さんたちも独立されています。
恐らく、ローンは完済している、もしくは完済が近いと思いますが、お話しから分かるように家に対して強い愛着を持たれていて、あまり値下げは期待できないかなという印象でした。
こちらの物件も、その後恐らく売れたものと思われます。
3件目:交通の便が悪いから
3件目は2件目の物件の近所で、今の私の家からは離れています。
所謂ローコストメーカーの建売りだった家で、わずか築2年で売りに出されていました。
※記事の2件目。
30代後半と思われる奥様が対応してくださいました。
こちらの奥様は、私はリビングにいますので自由に見て回ってくださいというスタンスで、こちらが気を遣わないようにしてくださったのかなと思います。
質問などは丁寧に対応してくださいました。
売却理由は、
最寄駅が快速が止まらないので、夫婦とも通勤の際に乗り換えが必要で不便でした。
主人の勤め先も変わり、通勤に便利なところに住み替える予定です。
次の家は今探し中です。
とのことでした。(ちょっとうろ覚えです。)
住んでみて不便さに気づくパターンです。
余計なお世話ですが、交通の利便性は事前に容易に調べられるので、このようなパターンはさすがに避けるべきかなと思います。
しかし、こちらのご夫婦、共働きで夫婦2人だけで4LDKの新築を購入し、交通の不便さだけでわずか2年で住み替えですので、経済的には余裕があるのかなと思います。
奥様に「ご近所さんのことも聞いていいですか?」と尋ねると、かなり詳細に答えてくださいましたので、その感じからするとご近所さんとは円満にやられていたのかなと思います。
4件目(今の我が家):子供が独立したから?
最後は私が購入した家です。
築17年(見学当時)です。
この物件は私が見学した時点で既に空家になっており、売主さんと顔を合わせることもなかったため、売却理由を直接聞くことはできませんでした。
また、機転が利かず見学を対応した仲介業者にも聞きませんでした。
初めて売主さんと会ったのは売買契約を結ぶ際で、その後も売却理由をちゃんと聞くことはありませんでしたが、色々と話をする中でなんとなく予想はつきました。
売却理由は、
子供が独立(大学進学?)したので、利便性の高い駅前のマンションに引っ越すため。
ではないかと思います。
この方もお金持ちが故の住み替えです。
通常は元の家が売れてから次の家を購入するのですが、この方は売れる前から住み替えています。
登記簿を見ると、住宅ローンも15年で完済しています。
そして引っ越し先のマンションについては私もよく知っているのですが、できたばかりの新築タワーマンションで、主要駅の目の前にあり、私が住んでいる市ではセレブの象徴のようなマンションです。
ちなみに、ご職業は大学教授で、全くの偶然ですが私の大学の恩師です。
5.最後に
今回は私が見学した中古物件4件の、売主さんたちの住み替え事情についてお話ししました。
4件とも基本的にはお金に余裕があり、ポジティブな理由での住み替えばかりでした。
ネガティブな事情で売り急いでいて、泥沼化した中古物件というものはありませんでしたので、そういった点で「この家買っても大丈夫かな?」と思うこともありませんでした。
家(建物)を見てもしっかりメンテナンスされた状態のよい物件ばかりでしたので、基本的に管理能力の高い人たちなのかなと思います。
ちなみに、私が購入した家について、私は死ぬまで住むつもりです。
基本的には住み替えることは考えていません。
ただし、予期せぬ住み替え・意図せぬ住み替えがあることは私も例外ではありませんので、今後どうなるかは分かりません。
特にローンを払い終わる30年後となると、本当に私自身も家もどうなっているかわかりません。
そう考えると賃貸派の人の考え方も理解できますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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